2011年12月31日
アメリカとアメリカにはさまれた道

ハバナの旧市街地と新市街地を結ぶ海沿いマレコン通りはとても気持ちがよくて、
散歩コースでもあり、京都の鴨川みたいにカップルが座っていちゃついている。
でも鴨川と違う所は、川でなくて海、ということよりも
カップルと別のカップルの間が離れていなかったり、
つまりは、すぐ横で別の人たちがいちゃついていても気にならない様子だということ。
そのマレコンの途中にアメリカ合衆国の施設がある。キューバの友達にあの建物は何?
と聞くと「Embajada(大使館)de Estados Unidos(合衆国)」とほとんどが答える。
国交のないアメリカの大使館はキューバにはないが
実質的に大使館的業務を行うところらしい。

その横(といっても大きな道の反対側の海岸沿い)を何気なく通りかかったら、
急に沢山の警官達の視線がこちらに向き、私の行く先100mのところにも
さっきまでいなかった警官が現れ、ものすごい緊張感を感じてしまった。
後悔して戻ろうかと思ったが、余計に怪しまれるかと思い結局冷や汗をかきながら歩いた。
なんで、アメリカの施設の周りをキューバの警官達があんなに沢山守っているのか
と不思議な気もするが、後で聞いたら亡命者を捕まえるためだよ、とある人は言ってた。
ビルは反射ガラスになっていてこちらから中は見えない分、なんだか不気味な感じがする。
なんでも割とあけっぴろげなキューバでは余計に。
この施設の目の前、海の向こうすぐ140km先はアメリカのフロリダ半島の先、
潜水艦基地のキイウエスト軍港がある。
アメリカの軍港とアメリカの施設の真ん中にあるキューバの道を歩いているのだ、
と考えるとまた緊張した。
そして、沖縄に住んで始めの頃は58号線も両サイドが基地なので
緊張して通っていたことを思い出した。

その建物の前の広場にはアメリカへの抗議のために国旗掲揚のためのポールがものすごい数建っていて
正面からみるとビルは隠れる。その前にはコンサート会場もある。
普段はポールがあるだけで旗は掲揚されていない。

後日、通りかかるとそこにいつもはないキューバの国旗が。
年末年始などに旗が掲げられるらしい。
何とも言えない気持ちになったが、壮観だった。

Posted by cimarcus at 02:32│Comments(0)
│キューバ